定年と年金まず読む
定年前後のお金は何から確かめる? 年金と退職金と再雇用の順番
定年の前に確かめるのは、ねんきん定期便の年金の見込み額、会社の退職金の額と受け取り方、再雇用の給料と年金の関係です。退職所得控除の計算、繰り下げの増え方、在職老齢年金の基準額を、公的な資料で確かめて並べます。
おかねの節目 編集部
合同会社HSコンサルティング編集方針
- 公開
- 更新
- 制度と数字の最終確認
- 2026年11月2日
先に答え
定年の前後は、年金の見込み額、退職金の額と受け取り方、再雇用の給料と年金の関係、生活費との差の順に確かめると、老後に足りない額が自分の数字で出せます。
年金の見込み額はどこで分かる?
毎年の誕生月に届く「ねんきん定期便」で分かります。50歳以上の定期便には、60歳未満の人は今の年金の制度に60歳まで加入し続けたと仮定した、65歳から受け取れる見込み額が書かれています(出典1)。60歳以上65歳未満の人は、作った時点の加入の記録をもとにした額です。
50歳以上の定期便には、受け取りを70歳、75歳まで遅らせたときの見込み額も載っています(出典1)。まずはこの3つの額を家族で見ておくと、老後の話がしやすくなります。
退職金の税金はどう決まる?
退職金を一時金で受け取るときは、次の式で税金のかかる額を出します(出典2)。
(退職金 − 退職所得控除)× 2分の1
退職所得控除は勤続年数で決まります(出典2)。
| 勤続年数 | 退職所得控除 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数(80万円に満たないときは80万円) |
| 20年を超える | 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年) |
勤続年数に1年に満たない端数があるときは、1年に切り上げます(出典2)。たとえば勤続30年で退職金が2,000万円なら、控除は800万円 + 70万円 × 10年 = 1,500万円、税金のかかる額は(2,000万円 − 1,500万円)× 2分の1 = 250万円です(当サイトの計算)。
会社に「退職所得の受給に関する申告書」を出していないと、退職金の20.42%が差し引かれ、後で確定申告をして精算することになります(出典2)。退職の前に、会社の担当の窓口で出し方を確かめておくと手間が減ります。
再雇用で働くと年金はどうなる?
60歳以降も会社で働き、厚生年金を受けながら給料を受け取る人は「在職老齢年金」のしくみの対象です。給料と厚生年金の月額の合計が基準額を超えると、超えた分の半分の年金が止まります(出典3)。
厚生労働省の案内では、この基準額は法律が成立した2025年6月の時点で62万円とされ、2026年4月からは65万円です(出典3)。給料と厚生年金の合計がこの額以下なら、年金は止まりません。
再雇用の給料が決まったら、厚生年金の月額と足して、基準額を超えるかを確かめておきましょう。
受け取りを遅らせるとどうなる?
年金は、65歳から受け取るのが基本ですが、66歳から75歳までの間で遅らせる「繰り下げ」ができます。遅らせた1か月ごとに0.7%増え、75歳まで遅らせると最大で84%増えます(出典4)。反対に、60歳から64歳の間に早める「繰り上げ」は、1か月ごとに0.4%減ります。1962年4月1日以前に生まれた人は0.5%です(出典4)。
再雇用の給料で暮らせる間は受け取りを遅らせる、という考え方もあります。繰り下げの増え方と損益分岐は「年金の繰り下げは何歳からが得?増え方と損益分岐」にまとめています。
老後に足りない額はどう出す?
最後に、年金と再雇用の給料で入るお金と、今の生活費を比べます。
- 65歳からの年金の見込み額(ねんきん定期便)を12で割り、月の額にする
- 今の生活費から、住宅ローンの返済が終わる分、子どもの教育費が終わる分を引き、65歳からの月の生活費の目安にする
- 2から1を引いた額が、毎月の不足の目安。これに老後の年数をかけ、退職金と貯えで足りるかを見る
数字が出たら、退職金の受け取り方と、年金の受け取りを始める年齢を、家族で話して決めます。
よくある質問
Q. ねんきん定期便の見込み額は、もらえる額と同じですか
A. 50歳以上の定期便の額は、60歳まで今の条件で加入した場合を仮定した見込み額です(出典1)。働き方が変わると額も変わるので、毎年の定期便で確かめ直してください。
Q. 退職金は一時金と年金の形のどちらがよいですか
A. 一時金は退職所得控除があり、税金のかかる額が半分になります(出典2)。年金の形で受け取るときは、税金の計算のしかたが一時金とは変わります。会社の制度で選べる形と、手取りの見込みを会社の担当の窓口で確かめてから決めてください。
Q. 再雇用で働くと年金は全部止まりますか
A. 全部ではありません。給料と厚生年金の月額の合計が基準額を超えた分の半分が止まります(出典3)。基準額は2026年4月から65万円です。
出典と確かめた日
- 出典1日本年金機構「ねんきん定期便(50歳以上の方)の見方」(令和6年度送付分・PDF)2026年11月2日に確認
- 出典2国税庁 タックスアンサー No.2732「退職手当等に対する源泉徴収」(令和8年4月1日現在法令等)2026年11月2日に確認
- 出典3厚生労働省「在職老齢年金制度の見直しについて」2026年11月2日に確認
- 出典4厚生労働省「年金制度の仕組みと考え方 第11 老齢年金の繰下げ受給と繰上げ受給」2026年11月2日に確認
記事の作成に AI を使っています。制度と数字は、出典の公的な資料と突き合わせて確かめています。制度は変わることがあります。手続きの前に、出典の窓口でご確認ください。
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